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2011/10/16

秋の夜長に

ずっと読まなきゃ、読みたいなと思っていた本です。


朝日新聞朝刊小説欄に昭和49年10月14日から8ヶ月半にわたって連載され、昭和54年に単行本が刊行されています。
主に昭和30〜40年代の農薬や添加物の複合汚染に警鐘を鳴らす内容です。
仕事柄この方面に予備知識はあるものの、正直な所少々具合が悪くなりました。

ペンは剣より強しと言いますが、この刃は確かに重い。
それでもその筆跡を辿り、実人生に筆を加える人々がいます。
有機農業を始めた理由、あるいは就農した理由にこの本を読んだことを挙げる方が相当数いらっしゃいます。
私が出会った方だけでも両手じゃ足りません。
何年もかけて山を切り開くことから始めた方にもお会いしました。
途方も無い根気。しかし裏腹にその生き方は清々しく軽やかにさえ映ります。

一方で行政、企業、御用推進学者の利益優先にブレーキはかかっていないように思います。
有吉さんは今の世の中をどう眺めるのだろう?

もう一冊。こちらは10月13日発売の新書です。


著者は友人のノンフィクションライター・中原一歩さん。
震災当初、現地でボランティア、取材と数日を共にさせていただきました。

以下、著者・中原さんからのメッセージです。

東日本大震災から半年が経過いたしました。私は地震発生直後から、
宮城県石巻市に入り取材を続けていました。

そこで目にしたものは、自然災害の脅威であり、
「自治」、とくに「地方自治」の脆弱さでした。災害時、地域の安全保障は、
誰が守り、誰が被災者となった市民(私)を助けてくれるのか。

そんな中、石巻市には全国から10万人を超えるボランティアが駆けつけました。
余震の続く厳寒の過酷な環境に文句ひとつ言わず、
「他人」のために黙々と作業する姿は感動的ですらありました。

一方で、地域の人々からするとボランティアの「顔」が見えづらい存在でした。
いったい誰がどのようにしてボランティアを集約し機能させたのか。
そして、その仕組みはいったいどうなっているのか。

この本では、石巻の誰がそのように決断し、どのように彼らを受け入れたのか。
そこにあった矛盾や葛藤をなるべく具体的に取材しまとめあげたつもりです。

ぜひ、ご一読下さり、ご感想などお寄せいただけると幸いです。

ボランティアの側面から今回の震災を捉えた書籍は数少なく、丹念な取材でまとめあげられた良書と思います。読後の視野が広がりました。

当時の私のブログレポートです。


宮崎 純一

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