2010/08/31
2010/08/23
2010/08/20
味の想い出
8月15日は妻の母の誕生日。
岳母は今年、還暦を迎えた。
ちょうどお盆休みということもあり、妻と私そして妻の兄の3人で記念旅行を企画し、岳母を連れ信州へ出かけた。
今回の旅における岳母からのリクエストのひとつが「おいしいおやきが食べたい」ということだった。
岳父は私が妻と結婚する前にお亡くなりになられているのだが、生前、妻がまだ幼い頃に、家族で信州旅行に出かけた際に食べたおやきの味は、今でも岳母の胸に想い出とともに焼き付いていると聞かされていた。
妻が幼い頃の家族は傾きかけた家業を立て直すのに必死だったそうだ。
旅行や外食など滅多に行くこともない清貧の暮らしの中、ほんのひとときの休息旅行で初めて食べたおやきの味は代え難い想い出の味なはずだ。
「おいしいおやきが食べたい」
岳母にとっておやきはただおやきにあらず、人生を振り返り喜ぶことができるもの。
今回の道中でいただくおやきがもし仮にいまひとつなら、岳母の想い出までくすんでしまうようで、私は気が気でなかった。
白馬から善光寺へ抜ける道すがら、北アルプスを臨む山里鬼無里(きなさ)に「いろは堂 長野本店」はある。店内には大きな囲炉裏がありゆっくりとくつろぐことができる。
茄子、野沢菜、あざみ、粒あんと幾つかを注文。焼きたてにかぶりついた。
「おいしい」
二口、三口、
「うん」「うん」
小麦粉とそば粉が入った香ばしくもちもちの皮。軽く油で揚げてから釜で焼かれている。
みっしりと詰まった具は、揚げ焼きの手法がいきているのだろう、色鮮やかで旨さが封じ込められている。
「ほんとにうまいね」
親戚へのお土産を買い求める岳母の背中が喜んでいた。
味は想い出をつくる。
次におやきを食べるとき、今度は私が岳母の顔を思い浮かべるだろう。
宮崎 純一
告知 ローカルレストランライブ"sachi" episode22 大分編
真夏の日差しを浴びてたくましく成長する路地野菜。
大地の栄養をしっかり吸収して、夏野菜が旬を迎えています。
九州のヘソと阿蘇へと続く九十連山を有する大分県では、高地で新しい農業に挑戦する若い生産者に出会いました。また、豊後水道では故郷の島で漁業を営む青年漁師にも出会いました。
海あり、山ありのまさに日本の幸に恵まれた大分県。
今回は、野性味溢れる夏野菜と豊後水道の海の幸を夏らしく四川料理で味わいます。
しっかりとスタミナをつけてこの残暑を乗り切りましょう。
今回の"sachi"は「麻布長江 香福筵」
「麻布に長江あり」と言われる程、先代は日本中華界の第一人者として広く知られる。その後を継いで厨房に立つ田村シェフは、四川料理の枠を超えて、斬新で奥が深い現代的な中華の可能性を模索している。四川伝統の辛い料理の数々から、気仙沼産のフカヒレを豪快に仕上げる姿蒸しなど料理のジャンルは多岐に渡る。また、同世代の農の生産者とも積極的に交流を持ち、素材の味を殺さずに引き立てる季節の中の味を大切にしている。日本の若手中華の旗手として注目されている。
以上、東京ローカルレストランwebより抜粋。
お申し込みご希望の方はこちらよりお願いいたします。
宮崎 純一
2010/08/19
「Meal travel agent Vol.14 in 未来世紀ブラジル」
「ブラジル人は、食事を摂らない。食べ物を食べたことが、無い。」
そう、伝え聞いております。
ブラジルの最初の住民が紀元前11,000年にベーリング海峡を渡ってアジアから
やって来たときから食事をしたことがない民族として、歴史を刻んできました。
そして、1日中原っぱでボールを追いかけまわし、時にはいい感じでフリーキックを
無回転で蹴り倒し、乳首を絶妙なサイズのコステュームで隠し、時には我を忘れ踊りながら
乳首出しちゃって遊びだめ的に乱痴気騒ぎをするという趣旨の祭典ばかりしてたら
要するに、
食事をする暇が、無いんです。
サッカーして、サンバ踊ってカニーバルの準備…。
忙しいんです、ブラジルの人々は。
食事をする暇が、無い訳です。
お腹空かないんでしょうな、ブラジルの方々は。
ということで、
そろそろ、ラモス瑠偉氏やセルジオの越後に本気で怒られそうだから
はっきり、言いますと。
ブラジル人だって食事しますよ!お腹空きますよ!
サッカーボールとか煮込んでるわけじゃない、美味しいブラジル料理があるはずだ!!
「今まで食事をした人がいない国、ブラジル」なんて言って、ごめんね…ブラ・ジル子ちゃん達。
ということで、ブラ・ジル子ちゃん達!
8月26日は、サッカーやサンバやカーニバルだけではない、美味しいブラジルをお届けしますよ。
先月のミールトラベルは、ワールドカップ2010の優勝国「スペイン」でしたので
今月は、4年後のワールドカップ2014の開催国で優勝国であろう「ブラジル」
4年後を見据え、やってくれるだろうセレソンたちに送ります。
4年後の未来に向けて
「Meal travel agent Vol.14 in 未来世紀ブラジル」です。
そんなわけで、左乳首をペレのアップリケ、右乳首をジーコのアップリケで隠し、デリケートな聖なる秘境部分は、ラモス瑠偉氏のステッカー(田中・マルクス・闘莉王でも可)を貼り祭典にて踊り狂うブラジルの人々が、愛してやまないメニューはこんな感じで行きます。
■ポン・デ・ケージョ
チェダーチーズのポン・デ・ケージョ。ポンッつって、ケージョしながら丸め、そして焼きます。
■ヴィナグリッチ
ブラジル料理にはかかせないサラダを恵比寿のリオデジャネイロ風で。
■フェジョアーダ
豆と豚肉の煮込みます。サンバで煮込みます。
■ビッフィ
ビーフステーキ。素敵に日本の薄切りのレベルじゃないステーキを。
■テリー・ギリアムのブラ汁丼
ブラジルのムケッカをぶっかけご飯でテリー・ギリアム調に食す。
■ブラジルプリン
ブラ・ジル子特製のこってりプリンを予定。あくまで予定。予算次第!
こんな感じで。
東京下町の夏を代表するお祭りのひとつ浅草サンバカーニバルは8月28日だ!!
その前に、恵比寿のリオデジャネイロと呼ばれるEAT TOKYOで
「乳首に五円玉を貼ってダンス…夏。」
国際料理斗写真機構 Presents「Meal travel agent Vol.14 in 未来世紀ブラジル」
・日時:08・26(木)20:00〜23:00
・会費:3500円(フリードリンク+未来世紀ブラジル)
・場所:恵比寿リオデジャネイロEAT TOKYO
→〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-5-2 今村ビル3F
・地図:http://eattokyo.zz.tc/map
「国際料理斗写真機構」
料理斗文章:ハラシマ マサミ(tokyo delicious )
写真斗構成:花渕浩二(eat photo )
謎斗アートディレクション:ナモナキクリエイティブ
ラベル: hanabuchi
2010/08/09
うまい屋のたこ焼きとグリルミヤコのドゥミグラスソース
先月、大阪取材の帰りにおいしいたこ焼きを食べた。
天五中崎商店街の「うまい屋」さん。
半世紀の歴史を語る看板。ネーミングがいい。
ソースやマヨネーズはかけずにプレーンで食べます。
はふはふと口の中で転がしながら、カリッと焼かれた皮に歯をたてると、出汁の旨みが軽やかに広がってゆく。飲み物メニューにはコーヒー牛乳や三ツ矢サイダー、生ビール。
誤解を恐れずに言えば、私が普段食べ慣れているたこ焼きとは違って、どちらかというとスナック菓子。なのだけれど、高い志のもと丁寧に手作りされたおやつだと思います。
現在は先代が引退なされて、お孫さんが焼き手として頑張っておられるそう。
残念ながら東京にはなかなかないですね、こういうお店。
そして、先週は兵庫県へ。
神戸元町の「グリルミヤコ」さんで夕食。
今回はハンバーグのセットメニューをオーダー。
外国船の洋食が原点なだけに、想像していたよりもスパイシー。
でもそれが旨い、だから旨い。
残ったソースはライスにつけて、同席者全員きれいに完食です。
食後に頼んだ焼きぷりんはふうわりまるい甘さと口あたり。
代を継いだシェフがテーブルの横でちょっとやんちゃな昔話をしてくれる。
人にも店にも街にも歴史があるものです。
宮崎 純一